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6.26.2019

Artworkについて -③ つくりたいもの


糸のArtworkは、糸と色彩を幾層にも重ね制作しています。

何もない画面に光を描くように糸を張り、
描いた色を覆うように、また糸を張ります。

目の前にあるモチーフと対峙して、描いては見直し、
さっき描いた線を頼りに正確なカタチを探っていく
デッサンみたいだと思うこともあります。

糸を張る行為と色に呼応するように、私は自分の心に
移りゆく景色を見つめ反芻します。

夜明け前の朧げな影だったり、月の出に光る深い青だったり、
その景色はいつも取り留めなく様々です。

私が描くイメージが観る人の心に呼応して、内に移りゆく景色を
見つめる時間を生み出せたらと思います。



Artworkについて -①
Artworkについて -②


6.22.2019

Artworkについて -② 右往左往の時間

織り設計のデータが出来上がるたびに試織のため出入りした工場(左)
偶然にできた織り組織同士の歪みを活かして、採用された思い入れのある藤柄の生地(右)
カーテン生地だけどソファにもなったらしい。

開き直って自分の制作からは一度離れ、海外に興味を持ったり
テキスタイルデザインをキャリアにして、経験や知識を増やしていきました。
(こんな風にまとめてしまうと、いかにも向上心を持って突き進んだ風ですが、
いつも情けないほど右往左往しています。)

時間が経ち、私自身が右往左往の一巡目を終えたのか、
折々に「まだ創らないの?」と変わらず言ってくれる、学生時代からの友人の
言葉もあったりしてArtworkの制作の方へ気持ちが傾いていくようになりました。

テキスタイルデザインも、手織りも、きちんと人に届けられるものを作るには
集中して、とにかくやってみる。という時間が必要なように思います。
それはきっとArtworkも同じなので、とにかくやってみます。

あの頃、真っ直ぐに制作の方へ進んでいれば…
と考えることもありますが、今ここに在る自分で創っていけたらいいと思います。


Artworkについて -③







Artworkについて -① スタートライン

卒業制作 Manray<光射す方向> -left

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ただ生まれただけなのに
絡み合う一人一人の理由
人という形をして 
歩く 笑う 走る 泣く 立ち止まる また歩く
その形を動かすものは何?

人は”何か”に絡まって生きる
生まれる前から 現在 そしてこの先も
その糸を解きながら絡ませながら
時に結びながら生きていく

私は自分に絡まり張りつめた糸を 解き 結ぶために
糸を張り 光を描く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私が、自分の卒業制作に添えた文章です。
改めて振り返り、書き起こすと …まぁ恥ずかしい。
ですが、当時は純粋にこんなことを考えながら制作し、それを人に
伝えるために拙くも一生懸命、イメージを言語化しようとした文章でした。

糸を張り、光を描いた、212.5cm×135cm 2枚の大きな作品。
先生や先輩が口々に、卒業制作は作品だけじゃなく
向き合って考えた時間やその時の自分自身が、後々の気持ちの拠り所に
成り得るから頑張ってと言ってくれていたこと、
どうして2枚?と同級生に聞かれて、「それを描くエネルギーがあるから」
と答えた自分を、思い出します。

その頃にはすでに就職が決まっていて、就職先が決まっていたから
安心して卒業制作に集中出来たとも言え、大学院やアーティストとして
独立して制作するという進路は当時、私には考えられませんでした。
美術以外のことや、大学を卒業したての私一人の力では到底知りえないこと
出来ないことを、企業という大きな力を通して経験したいという好奇心もありました。

スローペースでも、絶対に制作は続ける。
そう思っていましたが、「成るには10年かかる。」と言われながらの
(確かに難しいけど、それでもやっぱり非効率!!!)
テキスタイルデザインの仕事には、精一杯の力を注がなくてはならず、
自分の制作をしても、出来上がるものは私が描きたいものとはズレていくようになり
卒業制作を通して折角繋がったご縁を、形にすることは出来ませんでした。


Artworkについて -②

6.14.2019

CLOUDS FINE ARTS COMPETITION 2019 終了しました。


2週間の展示中、SNS/Wedsite を通して、又は実際にギャラリーに
来店されたお客様に投票して頂くというコンペでした。

結果は92票頂き、10位でした。
投票して頂いた皆様、ありがとうございました。
アーティスト自身の活動範囲も、テーマも技法も個々様々な作品の中で、
私の小さな作品が92票も頂けたことに感謝しています。

Artworkを通して人との繋がりを求めたのは、本当に久しぶりだったので
私が描くイメージが、観る人の心に呼応して対話する
そんな時間が生まれることを想像し、そうであってほしいなと願って
ドキドキしていました。



5.28.2019

CLOUDS FINE ARTS COMPETITION 2019


今日から始まるCLOUDS FINE ARTS COMPETITION 2019 に参加しています。
2週間の展示中、SNS/Wedsiteと実際にギャラリーに来店されたお客様に
投票されるというコンペです。

このコンペのために制作したのは、糸の小さなArtwork。

糸のArtworkは、糸と色彩を幾層にも重ねて描きます。
何もない画面に光を描くように糸を張り、描いた色を覆うようにまた糸を張る。
その行為と色に呼応するように、私は心に移りゆく景色を見つめて反芻します。
その景色はいつも取り留めなく様々です。

今回は制作中に元号が変わり、きっとたくさんの人がそうであったように
私もその時間の流れの中、改めて振り返ってみたことや考えたことがありました。
友人との話題でも自然に、時間の流れや出会いや別れを振り返って、
今思う事をお互いに改めて言葉にしていました。

そんな時間の中で浮かんできたイメージや形や言葉が、作品になったように
感じています。

会期5/28(Tue)-6/9(Sun)*closed on Monday*
OPENING RECEPTION  6/1(Sat)18:00-20:00

CLOUDS ART+COFFEE
東京都杉並区高円寺北2-25-4
-------------------------------
-OPEN HOUR-
Tuesday-Sunday
12:00-20:00
Closed on Mondays



2.05.2019

微かな差



目も体力も気力も霞む・・・とボヤきたくなっていたので、
なんとかもう少し効率よく作業できるように改善策を考えて、
仕掛けを変えてみたり。基本的なことを見返したり。

いくつか試してみて、結果的に変えたところはほんとに小さいコト。
微差。単位にしたら1mmくらい。

それでも少し出口っぽいとこが見えた気がしています。

10.10.2018

絡み織

経糸を絡めて織るためには、
地をつくる経糸と絡みをつくる経糸が必要になります。
方法としては、
・手で経糸を捩っていく
・カード・またはビーズを使う
・半綜絖と呼ばれる仕掛けで作る

わたしは、ビーズを使う方法で織っています。
ビーズレノと言われるやり方です。

↑の経糸を機にセッティングした後、
具体的にどう織っているかというと、
絡みをつくる左右どちらかの経を上げる。
この時、地をつくる経とのいらない絡みを指でほぐす。


開口が狭いので、板を使って持ち上げる。
(地経とビーズの隙間を開けるためですが、上からみると見えないので
上がっている絡み経の間に板を入れています。)

上からみるとこんな感じ。

筬の手前で、開口した糸を拾う。

きちんと絡んでいるか確認しながら作業します。

目線の近さはこれくらい。

開口した隙間に緯糸を入れる。


織り前からみるとこんな感じ。

次に、上げた絡み経と左右反対に上がる経をあげて同じ作業をすると、
1つの絡みが出来上がります。

とても時間のかかる作業です。


10.08.2018

一粒一粒


織物の基本、平織・綾・朱子は、それぞれに経糸の浮き方に違いがあるものの、
経糸と緯糸が上下に動いて織り上げられるという関係性は変わりません。

絡み織(羅・絽・紗)はというと、経糸が絡み合って
布全面に透け感のある軽やかな布に織り上がります。
「紗」緯糸1本ごとに連続して絡み目を作る織組織
絡み目と絡み目の間に平織/綾織を組み合わせると「絽」
「羅」は1本の経糸が左右の経糸とまたがって絡む織り組織

絡み織を優先すると、柄のための経糸の上がり下がりの設定が
機上では出来ません。でも柄は出したい。
なので、鈎針で緯糸を拾いながらひとつひとつ柄を出しています。
手順は・・・

柄を出すところを決め、

緯糸を引き出す。

輪状に引き出された緯糸に、

シャトルごと緯糸をくぐらせる。

ゆっくりひきだして、


一粒、完成。

次に進む。
一粒一粒、光を浮き上がらせるように柄を織り出します。

8.25.2018

光に向かって生きる。
そんな強さや生命力を実感したくて、草木染を始めた。
でも、初めて蓮から色を出して染めた時、
これは「泥」の色だと思った。

儚いけど、絶対的な慈愛の色。

蓮畑から仰ぎ見る空が、太陽が、本当に美しくて、
吹き抜ける風が心地良くて、揺れる葉の下でしばらく佇んでしまう。
こんな景色のひとつひとつも、すべて「色」は記憶している。と感じる。


※蓮畑に入る際は、所有されている方に必ず許可を得てくださいね。

6.18.2018

清らかで神聖な、なにか




まだ染まっていない糸を前にすると、いつも少し緊張する。
絹も麻も綿も、表情はそれぞれ違うけれど、
それぞれに清らかで神聖な、光のような何かを、宿しているような気がして。



6.14.2018

つくりたいもの -織布


織られた糸の起伏を通り 
光は影を躍らせ 
風は体温と交じる

その肌心地は
いつか、
触れる人の ”翅” に


そんな存在になるもの